いろいろな方に応援いただき、日本一周の旅を無事終えることが出来ました。改めて感謝申し上げます。感動のゴールから早くも2週間になりますが、さすがに疲労、筋肉の張りが溜まって、本来の体調とはいきません。とりあえず次の目標-フルマラソン完走-に向け大濠公園での練習を再開したところです。
出発前、よく言われました。『自転車で日本一周。凄いですね!』
その度に思いました。する気になるかどうかの問題。多少の金と暇さえあれば、誰にでもできることだと。日頃の生活に充実感があれば、わざわざ旅をする必要もない。
旅の間、かなりの数の仲間-自転車でバイクで、あるいは歩いて長期の旅をする人たち-に出会った。
一瞬、偶然の出会い。しかし、その一瞬に気心が通じ合う。年齢、男女の違いを越え、まるで旧知の仲のように話が弾む。同じ匂いを感じるのだ。人生を楽しもうとする姿勢。自分への挑戦。可能性への挑戦。そこに同行意識が生まれるのかもしれない。
そもそも今回の旅は、世界を自分の目と足で見たい-自転車で世界を旅したい-という、かねてからの夢を実現するための第一歩である。世界を旅するには、それなりの知識・体力・技術が必要であろう。それらを自分のものとして夢に挑戦したい。その最初の一歩として、日本を一周しようと思った。日本一周ができなくて世界を旅するなど論外だろう。とりあえずそれだけの体力があるか試したかった。長期の旅をするためのノウハウを蓄積したかった。気がかりは、専ら体力的なものであった。
しかし、旅を始めて10日も経たずに気がついた。大事なのは体力的なものより、むしろ精神的なものであると。
今回の旅で出会った人の中には、予想外?の厳しさに、出発数日にして計画を断念するという人もいた。私自身、初めの2~3週間、計画断念の文字が頭をよぎることもあった。言い訳はいくらでも転がっている。悪魔がささやく、『脚の腫れと痛みがひどい。無理をすれば取り返しのつかないことになる』と。
色々な言い訳に耳を貸さず、計画を推し進めるには、気持ちの強さ(単に気持ちをごまかすこと?)が必要だ。『脚が腫れても、自転車は漕げる』『脚が腫れるくらい誰にでもある』『山の中だったら走るしかない』『脚は腫れても、気分は晴れ、天気も晴れ!頑張る!』等々。こじつけでも何でも構わない。「強引グ、マイウェイ」それが計画推進の秘訣。人生を楽しむ秘訣なのかもしれない。
58日間の旅で、私が得た最大の物、それはこの「強引グ、マイウェイ」精神ではないかと思う。秋田県での鳥海山のエピソードが象徴的である。雲に隠れていようと、鳥海山は常にそこにある。当たり前のことだが、そのことにこれまで気付いてなかった。目の前の困難、苦しさばかりを見て、その向うにあるゴールが見えていなかった気がする。これからは、雲しか見えていなくてもその向うにある景色を見ることが出来そうである。
最後に、本ブログの更新は、第2、第4日曜にすることにします。今後もよろしくお願いいたします。また、2枚目の(写真)は、糸島の白糸の滝。サイクリングのお裾分けです。