人生本番は還暦から!自転車を友として人生を楽しみ味わい尽くすことに挑戦。このblogはその記録。
時に令和5年7月17日、午前4時前起床した。既に夜は明けつつあり、早々と出かけて行く登山者たちの姿があった。 ここは我らが宿、山梨県南アルプス市の広河原山荘。設備が整って山小屋と言うよりホテルの趣。
山荘周辺を散策中に北岳と覚しき写真を撮ったが、帰宅して編集中に驚きの発見。なんと今日泊まる肩の小屋が写っていたのだ!
我々は山荘で朝食を済ませ、7時前北岳の肩の小屋を目ざし出発した。同行するのは園田君と山﨑君。険しそうな山容に期待半分・不安半分ってとこか。
山荘前を流れる野呂川を渡ると直ぐに登山開始!
木々を縫う登山路は晴天の日差しが和らいでありがたかったが、スタート直後から結構な勾配で、まだ半覚醒の体には堪えた。
しかも、歩を進める毎に道は険しく正に直登、直登、直登の連続。平坦な道や下りは一切ない・・。写真は必死に励ましてくれた可憐な花の一枚だけ。
格闘3時間、這々の体で白根御池小屋到着。これまでで『最強・最悪の直登』が三人一致の感想。
蛇足ながら、ここで小さな問題発生。山小屋で食料補給できなかったのだ。しか〜し、アイスクリームと冷たい水で元気復活。時間はまだ10時前、2時には肩の小屋到着、問題ナッシング!
白根御池からルートは2つ、我々は『草すべり』の直登ルートを選んだ。見上げるような登りだが、な〜にあそこを登ってその先のあそこまで行けばOK。勇躍アタック開始!
しかし、そんな思いは長く続かなかった。『あそこ』は逃げ水、あそこに着く度に、また新たなあそこが出現。心が折れそうだった。 写真を撮る意欲も湧かない。しかし、ふと気付くと木々の様子が違う。強風のせいか、積雪のせいか、木の幹が押し曲がっている。
有り難いことだ、何事にも終りがある。悪戦苦闘すること2時間、開けた場所に出た。 途端すっと気が抜け意識が遠のき倒れそうな気がした。立っているのが精一杯、今にして思えばガス欠状態だったのだ。
この先、高山植物に力をもらった。花を見つける度に写真撮影。しか〜し、確かに花は魅力的だったが、実は体を休ませようとする無意識の防御行為だったと感じる。
苦しい写真撮影?40分、遂に尾根に出た。小太郎山分岐点到着。
指さす峰の裏手が多分肩の小屋! 嬉しさ見え見えだね〜。
しかし、間近な筈が遠く険しい。
いよいよロープに取り付く段になって滑落の危険を感じた。崖を前に荷物を下ろし、湯を沸かしてコーヒーを淹れた。普段と違って砂糖入り。砂糖入れない派の山﨑君がなんと砂糖2つご所望。
大自然に乾杯! 温かいコーヒーが五臓六腑に沁み渡る。
コーヒーパワーで崖なんか楽々クリア、2時前肩の小屋到着! 小屋の手前に『北岳に来ただけ』の標示。一日の苦闘を思うとちょっと微妙。 到着早々のビールのカップには山のイラストに添え『おつかれ山』ここの主人とは趣味が合うかも。(笑)
山小屋の西?には仙丈ヶ岳3033m
目を右にやると甲斐駒ヶ岳2967mの雄姿。
夕食時の奇跡、テーブルに座り合わせた同窓生3人グループ2組。片や昭和22年名古屋生まれ、片や昭和23年福岡生まれ。
夕食後、景色を見に今一度外へ。雲が多く富士山は見えない。
陽は西に傾いている。
ふと曇った東の空に目をやると、ブロッケン現象! 雲に虹の輪ができて、その中心に我ら3人!
次の写真では、脚を開きカメラを構えた我が姿が見て取れる。
今日の我等の奮闘に神からの贈り物だね! さあ、早く寝て疲れを取ろう。あ〜した天気にな〜れ!
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